映画が好きで一年間に映画館で50本は観ていますが、先日、モントリオール世界映画祭で深津絵里さんが最優秀女優賞を受賞して今話題の「悪人」を観ました。
なぜ、殺したのか。 なぜ、愛したのか。 ひとつの殺人事件。引き裂かれた家族。 誰が本当の”悪人”なのか。 このキャッチコピーが本当に良く映画の内容を表現しています。
舞台が福岡、長崎、佐賀ということで天神、渡辺通り、東公園、けやき通り、三瀬峠、呼子など知ってる場所がロケ地になってることと、主演の妻夫木聡が柳川、深津絵里が大分出身なので、九州弁の会話が自然でよりリアルさを感じることができました。
ネタバレはルール違反なので内容にはあまり触れませんが、印象に残っている台詞があります。 海のそばに住んでいる祐一(妻夫木)が羨ましいと言った光代(深津)に対して
「目の前に海があったら、もうそん先どこにも行かれんような気になるよ。」
そこから先どこにも行けない人々の物語の映画のような気がしました。
娘を殺された佳男(柄本明)が話す言葉が映画館に置いてあるチラシにありました。
あんた、大切な人はおるね? その人の幸せな様子を思うだけで、 自分までうれしくなってくるような人は。 今の世の中、大切な人もおらん人間が多すぎる。 自分は失うものがないち思い込んで、 それで強くなった気になっとう。 だけんやろ、自分が余裕のある人間て思いくさって、 失ったり、欲しがったりする人間を、馬鹿にした目で眺めとう。 そうじゃないとよ。 それじゃ人間は駄目とよ。
機会がありましたら観られることをお勧めします。